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第2回 経営者のための会計入門 ~財務会計を経営に活かす——月次決算の着地点は「スピード」~
年1回の決算書を税務申告のためだけに使っている経営者は少なくありません。しかし、会計が経営の羅針盤であるならば、それを1年に1回しか見ないというのは、目隠しをして航海しているのと同じです。1年分の数字をまとめて見て「今年は赤字だった」「資金が足りない」と気づいても、軌道修正できるタイミングを逃してしまうリスクがあります。
今回は、財務会計のデータを経営に活かすための第一歩として、「月次決算」の目的と実践について解説します。
ポイント① 月次決算の本当の目的は「異常値の早期発見」
月次決算の最大の目的は、単に毎月の数字を正しく集計することではありません。真の目的は、「実績と計画のズレ(異常値)を早期に発見し、次の一手を打つこと」にあります。
経営はPDCA(計画・実行・評価・改善)のサイクルを回すことですが、月次決算はその「C(評価)」の要となります。月次で数字を確認することで、問題が小さいうちに手を打てる体制が整います。
ポイント② 月次決算の着地点は「正確性よりスピード」
月次決算において重要なのは、「正確性よりもスピード」です。1円単位の正確さを求めて翌月末まで数字が出ないよりも、多少の見積もりを含んででも「翌月の10日」には大まかな業績を把握し、異常値があればすぐに対策を打てる状態にすることの方がはるかに重要です。
経営の異常値を早期に発見し次の一手を打つためには、多少の正確性を犠牲にしてでも早く数字を締める習慣が必要なのです。
ポイント③ 「どんぶり勘定」からの脱却——部門別・製品別の可視化
スピーディーな月次決算であっても、全社の原価を売上高の比率などで大雑把に割り振るような「どんぶり勘定」では意味が半減します。会社全体の利益はわかっても、「どの製品・どの部門が儲かっているのか、あるいは足を引っ張っているのか」という実態がブラックボックス化してしまうからです。
部門別・製品別の実態を迅速に可視化し、異常値を特定できる月次決算があって初めて、資金繰り管理や業績管理といった管理会計の歯車が回り始めます。
まとめ
月次決算は「毎月数字を集計する作業」ではなく、経営のPDCAを回すための「評価」の仕組みです。スピードと部門別の可視化を意識した月次決算を習慣化することで、会社の現状把握と意思決定のスピードが格段に上がります。
資金繰り表の読み方・KPI管理・戦略会計の実践など、引き続き実践的なテーマを今後の記事で順次取り上げていく予定です。引き続きご覧いただけますと幸いです。
