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最終回 経営者のための会計入門 ~3つの会計を一体で活かす——自社の弱点がわかる会計チェックリスト~
全6回にわたり、財務会計・管理会計・戦略会計の役割と実践について解説してきました。最後に、これらの会計が実際の経営でどのように一体となって機能するのかを整理し、自社の現状を振り返るためのチェックリストをご用意しました。
ポイント① 3つの会計を「一体」で回す経営の仕組み
財務会計・管理会計・戦略会計は、それぞれが独立したものではなく、相互に連動して機能します。
| 財務会計 | 過去の実績を正確に記録し、外部への説明責任を果たす |
| 管理会計 | 財務会計のデータを加工・活用し、現在の資金とKPIを管理する |
| 戦略会計 | 管理会計の分析をベースに、中長期の投資・撤退を決断する |
月次決算で現状を素早く把握し(財務)、資金と行動をコントロールし(管理)、中長期の投資と撤退を決断する(戦略)——この3つを一体で回す仕組みを作ることこそが、経営者の本来の役割です。そして、その結果を数字の裏付けをもって株主や金融機関に説明できることが、第1回でお伝えしたアカウンタビリティ(説明責任)を果たすということです。
ポイント② 自社の「会計力」チェックリスト
貴社では、以下の項目のうちいくつ当てはまるでしょうか?
| 決算は税理士任せで、年1回、税金を払う時にしか数字を見ていない | → 過去を記録する「財務会計」の基本活用が不足 |
| 月次決算は出ているが、翌月末になってから数字の報告を受けている | → 軌道修正の要である「財務会計のスピード」が不足 |
| PLは黒字だが、いつも口座の現金残高にヒヤヒヤしている | → 未来の現金を予測する「管理会計(資金繰り)」が不足 |
| 売上目標はあるが、それを達成するための具体的な行動指標(KPI)がない | → 業績をコントロールする「管理会計(業績管理・BSC)」が不足 |
| 新規事業・設備投資の採算や不採算事業の撤退基準を、明確な数字で評価できていない | → 中長期の未来を決断する「戦略会計」が不足 |
チェックがついた項目は、自社の経営管理における「伸びしろ」です。
ポイント③ 未来を共に創るパートナーとしての税理士
会計は、過去の税金を計算するためだけの面倒な作業ではありません。月次決算・資金繰り・KPI管理・戦略的投資判断——これらを一体で回す仕組みを持つことで、会社はどんな環境の変化にも動じない強さを身につけることができます。
私たち税理士事務所は、単なる「過去の数字の集計係」ではありません。経営者がこれらの仕組みを構築し、未来に向けた経営判断を下すためのサポートを行う「経営のパートナー」でありたいと考えています。
本連載で入門編としてご紹介した内容は、ほかの連載でさらに掘り下げています。決算書の読み方と基本的な経営分析は「経営者のための経営分析実践[基礎編]」、管理会計を使った一歩進んだ経営分析は「[応用編]」、投資と撤退の判断は「経営者のための経営戦略」で、具体的な事例とともに解説していますので、あわせてご覧ください。
自社の会計管理に課題を感じられた方、さらに一段上の経営を目指したい方は、ぜひ一度、当事務所へご相談ください。
※本記事は掲載時点の法令・会計基準に基づいて作成しています。その後の改正等により、記載内容が現状と異なる場合があります。個別の会計・税務判断については、必ず顧問税理士等の専門家にご相談ください。
【参考文献】本連載の執筆にあたり、以下の書籍を参考にさせていただきました。
- 『[決定版]ほんとうにわかる管理会計&戦略会計』(高田直芳 著/PHP研究所)
- 『世界のプロが学ぶ会計の教科書 資産負債アプローチで使える知識を身につける』(吉成英紀 著/日本経済新聞出版)
- 『この1冊ですべてわかる 会計の基本』(岩谷誠治 著/日本実業出版社)
- 『この1冊ですべてわかる 管理会計の基本』(千賀秀信 著/日本実業出版社)
- 『管理会計 第七版』(櫻井通晴 著/同文舘出版)
- 『財務会計講義 第25版』(桜井久勝 著/中央経済社)

