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第1回 その節税、本当に正解?節税の本来の目的は「手元に資金を残すこと」
会社に利益が出ると、どうしても「税金を減らしたい」と考えがちです。しかし、誤った節税に走ると、かえって会社の首を絞めることになりかねません。
今回は、節税の本来の目的と、「お金が出ていく節税」の落とし穴について解説します。
ポイント① 利益が出ると税金を払いたくなくなる心理
事業が軌道に乗り、利益が出始めると、「こんなに税金を持っていかれるのか」と驚き、何とかして税金を減らしたいと考えるのは経営者として自然な感情です。
しかし、節税ばかりに気を取られると、会社の生存力を高め、成長を生み出すための「資金繰り(キャッシュフロー)」という、もっと重要な視点が抜け落ちてしまいます。ここで一度立ち止まって考えてみましょう。
ポイント② 節税の本来の目的は「手元に資金を残すこと」
節税の本来の目的は何でしょうか。それは税金を減らすこと自体ではなく、「手元に使える資金(キャッシュ)をできるだけ多く残すこと」です。
たとえば、1,000万円の利益が出たとします。そのまま申告すれば約300万円の税金がかかり、手元には700万円が残ります。この700万円は、次の事業拡大のための貴重な資金になります。
しかし、「300万円も税金を取られるくらいなら」と、不要な保険や車を1,000万円分購入して利益をゼロにしたらどうなるでしょうか。確かに税金はゼロになりますが、手元のお金もゼロになってしまいます。これでは、何のための節税かわかりません。
ポイント③ 「お金が出ていく節税」の落とし穴
世の中には、生命保険の加入や不要な車の購入など、さまざまな節税手法が溢れています。しかし、こうした「お金が出ていく節税」には十分な注意が必要です。具体的な数字で考えてみましょう。
たとえば、決算直前に1,000万円の利益が見込まれたとします。
| 税金を払う場合 | 約250万円(実効税率25%と仮定)の法人税等を払っても、手元には約750万円の現金が残ります。 |
| 保険等に加入する場合 | 1,000万円全額を損金にできる保険(※現在は極めて限定的)に加入すると税金はゼロになりますが、保険料として1,000万円が出ていくため、手元に残る現金はゼロです。 |
会社の経営を安定させ、不況や不測の事態を乗り越えるための最強の防具は「手元の現金」です。節税に気を取られて現金を枯渇させてしまえば、最悪の場合、利益は出ているのに支払いができず資金ショートを起こす「黒字倒産」の危機に直面してしまいます。
まとめ
「税金を払うくらいなら経費で使ってしまおう」という考え方は、会社から体力を奪います。節税ができても資金繰りが悪化してしまっては、まったく意味がありません。「税金を払ってでも手元に現金を残す」という視点を持つことが、強い会社を作る第一歩です。
お金が出ていかない賢い節税テクニック、節税と融資の関係など、引き続き実践的なテーマを今後の記事で順次取り上げていく予定です。引き続きご覧いただけますと幸いです。
